哲学と冗談

L'amore più profondo non può essere facilmente compreso.


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ボローニャの斜塔に登りました。

スポーツ大嫌いな私ですが、各都市の人力塔登りだけは、唯一好きな運動かもしれません。

毎回、中腹くらいで「絶対帰る。もう無理。死ぬ。」って言いながら登り続け、辛さが限界に達したところで「早く帰りたい。よし、ならば登るべきだ。」とマイナス×マイナスはプラスに働くみたいな謎抗力で頂上を目指します。

今回も、登りました。

ボローニャの斜塔を登るにはマッジョーレ広場にあるボローニャウェルカムセンターで登る時間を予約してチケットを買ってください。

時間を予約するということは多くの客がいると危険&上りと下りですれ違うことが不可能ということなので、これは相当狭くてきついパターンの塔登りだ……覚悟しなくては、と思ったけど、甘かった。それでも甘かった。完全に甘く見ていた。

フィレンツェのジョットも辛かったけど、これは非じゃなかった。

ジョットは閉所恐怖症の人間にとっては発狂スポットだと思うが、石でできた階段をシンプルに登るだけなので難易度自体は低い。

対してボローニャは、今にも崩れそうな造りの木の階段を500段登る。一段一段の隙間が大きく不均等で、万が一踏み外したら地面まで真っ逆さま。

そして今ヨーロッパを取り巻いている熱波。狭い塔に汗と人いきれが充満し、集中力が削られていく。

 

そう、自分だけではない。そこには他の"挑戦者"がいる。

頂上にたどり着くまでに、心臓発作になりそうなおじいちゃん、自撮りして列を止める女、かっこつけて二段抜かしして転げ落ちる男、閉所と高所で大泣きする子ども、お金払ったんだから!って言いながら無理やり登らせるママ、子どもをあやそうとして更に大泣きさせるパパ、踊り場で佇むリタイアした人間、それら全ての人たちを理解し、言葉は通じなくとも助け合い、微笑み合い、一心不乱に上を目指した者のみが、頂きに辿り着けるのだ。

 

 

ここボローニャは特に感動した。辛かった。辛かったが、楽しかった。

スリルや苦労と引き換えの絶景。

いや、絶景はもしかするとおまけなのかもしれない。

塔に登ることそのものが、私を感動させるのだ。

 

もう塔になんか2度と登らない、と心に誓うのだが、やはりまた、わたしは登るだろう。