久しぶりに会った夜に
2人で双児宮を見上げた
少しだけ重い肩
あなたが淹れた紅茶の香り
夜明けを待っているのか
それとも 夜が恋しいのか
あなたの胸に手を当てて
その鼓動を感じて安心する
まるで子守唄のようなその心拍に
目を閉じて微笑むと
「どうして笑っているんだい?」
あなたの優しい声が聞こえる
くすぐったくて熱くて
「あなたが生きていることが
こんなにも嬉しいなんて」
私
あなたのいない未来から来たんだよ
「なんだ。そんなことで」
あなたに行って欲しくなくて
止めに来たんだけど
「とにかく嬉しいのよ
好きな人がいるのは」
ごめんね
止められなかった
言えなかった
言わなかった
「昨日の君とずいぶん違うじゃないか」
"昨日"の私は、たしか、
あなたに愛想を尽かして
そのまま何年も、会えなくなって、
「ごめんなさい
やっぱりあなたを愛しているの」
あなたがあの日星になったのを知ったのは、だいぶ後になってからで
「星が嫉妬して落ちてきそうだ」
お願い行かないで
「愛してるの」
きっとあなたは
「こんなに美しい夜は初めてだよ」