Questa è la vita

Sicuramente!

〜という机上の世界線〜

この前友達と話した「イケてるおじさんと付き合うメリット」の話。

「おじさんはただでさえヤバい人が多い中でイケてるおじさんは相当努力してて格好良い人。全ての若人が将来ヤバいおじさんになる可能性がある中で、イケてるおじさんは今が将来だからヤバいおじさんにはなり得ない」

「でもイケてるおじさんがヤバいおじいさんになる可能性もある」

「いや、それはない。ヤバいおじいさんはおじさんの頃からヤバい」

「確かに」

「どんなに若くて格好良いイケメンでもいずれ老ける。太る。ハゲる。加齢臭を出す。痰を吐く。白眼は淀み、手足は筋肉が無くなり細くなるくせに腹はぶよぶよと膨らむ。今この時点でイケてるおじさんは若くて格好良いイケメンよりも将来性において説得力があるのでは?」

「なるほど。そしたらもう若くて格好良い人と付き合うのは博打じゃん、怖いわー」

「でしょう。おじさんの安定感はすごいぞ。20代はあと10年したら若くなくなるけど、おじさんはあと20年経ってもおじさんだからな」

「すごい。振れ幅が小さい。リスクを最少限に抑えることができる」

「そう、シナリオ分析では、各シナリオリスクがどの程度起こりうるか定量的に確率を押さえておくことが肝要。若いイケメンにはそれ自身の価値の損失は重大な上、損失頻度も高い。おじさんの場合、そういった悲観的シナリオは限りなくゼロに近い、なぜならおじさんだからだ、捨てるものなど何も無い」

「すごい、おじさん、すごい」

「未来に起こりうるシナリオをいくつも考えてその中で自分にとって重要となるシナリオを取捨選択することで、目標に向かって突き進むためのドライビング・フォースが確立される。このとき、起こってほしいことではなく、起こりうること、を考えなければならない。若いイケメンに絆されて希望的観測で未来を選ぶことほど愚かなことはない。」

「はい!杏子先生!ありがとうございます!」

「おじさん万歳!おじさん万歳!」

「わーっしょい!」「わーっしょい!」

 

「杏子先生!ひとつご質問があります!」

「なんでも」

 

「日本に、イケてるおじさんは何人くらい存在するでしょうか?」

 

たちまち、机の上のノートやプリントが泡のように消え、教室内は空虚な箱になった。