哲学と冗談

L'amore più profondo non può essere facilmente compreso.

日吉は凄い

どんなに仲の良い知人でも、その知人の誕生日、血液型、出身校、中学の部活、部活でのポジション、座右の銘、実家の家業まで知っていて覚えていることは早々難しい。身の回りの知人を思い浮かべて欲しいが、意外と覚えていないだろう。

 

そう思うと、日吉若(テニスの王子様)は凄い。

恐らく全テニプリファンが、日吉若の上記詳細プロフィールを空で言える。

それは「テニスの王子様ミュージカル」における最も有名なナンバー「あいつこそがテニスの王子様」で、乾貞治らによって日吉の説明が非常に詳しく歌詞およびセリフとして歌われているからである。

テニプリの主要キャラの誕生日一個も知らないけど日吉だけ知ってるって人も多いと思う。勿論、12月5日だ。好きな言葉は「下克上」。

日吉。

謎の1年リョーマくんにボコボコにされても、いやボコボコにされたからこそ、日吉若という偉大な存在はこうして語り継がれていく。

彼は確かに負け続けた。テニスの実力はある方だが、勝利の女神は遂に微笑むことはなかった。

だがどうだろう、主要キャラでもないのにこんなに知名度の高い人物がかつていただろうか?

敗北は確かに怖い。だが、敗北や失敗を恐れ、避け、目を瞑ろうとすることでどれくらいの事象が見えなくなり思考停止するか。いや、その前に何を敗北とするのか。我々は考えなくてはならない。

死ぬのが怖くて無傷で生き延びようとすると何も得られない。死があるからこそ生きることそのものに真っ直ぐ目を向けられる。

つまり死は始まりであり、愚かな人間を思考停止させないようにする希望なのだ。

 

とすると日吉若の存在は、そんな生命の在り方を彼自身が宮司となって現代の我々に訴えかけているように感じる。

だからこそ彼はこんなにも尊く崇められているのではないか。

そしてまさにこれが、彼が人生を賭けて虎視眈々と狙っていた"下克上"ではないだろうか?