絶望と欲望と杏子

Questa è la vita.

翻訳しよう

今日はスズキくんと4時間くらい電話をした。電話というか通話かな。discordというアプリを使ってお互いのパソコン(私はスマートフォン)をキャプチャしながらゲームをしたり、お化粧を教えあったり、恋バナをしたりした。

私とスズキくんは身体の性と見た目は違えど恋愛対象と肉体対象が一致していて、2人とも男性が恋愛対象(肉体対象でもある)であり、女性に対しては肉体対象のみで恋愛はしたくない。女は抱きたいけど恋愛はしたくない、というのはちょっと男尊女卑なのかなあ、でも女とは恋愛したくないよね、男と恋愛していた方がよっぽど楽しいよね、と同意見でまとまりました。めでたい。女と恋愛できる人たちは根性があって凄いと思う。

 

スズキくんがパソコンゲームを好きだというのは昔からよく知っていたけど、コンシューマ系が好きな私にとってパソコンゲームはどうも食指が動かず苦手意識があった。食わず嫌いだったのかもしれない。

そんな私にスズキくんが教えてくれたゲームはどれもインテリジェンスなもので、新鮮だった。ゲームでこんなに頭を使ったのは初めてかもしれない。

いくつか紹介してもらったが、特に気に入ったのは「Sethian」というSFゲーム。

 

SFと言っても操作画面は謎の文字が配列されたキーボードと、字が汚いメモ帳のみ。我々は考古学者となって、未知の言語を読み解きながらsethian語しか理解できないコンピュータに質問を入力して出力された答えから人工言語そのもの、またこの世界が何であるのかを解読する。

 

スズキくんはこの言語を先日10時間ほどかけて勉強し見事最後まで?行けたらしい。

謎の図形列をキーボードで打ちながら「これは、What is this place? って読むんだよ」と教えてくれて、とても格好良いと思ってしまった。人生で初めてスズキくんのことを格好良いと思った。こんなこと金輪際無いだろう。スターウォーズの言葉とか読める人、憧れちゃう。あとは人工言語アルカのセレンアルバザードさんも好きだったんだよ私。捕まっちゃったけど。またタンス倒してもらいたいなあ。

 

さて人工言語はともかく、4時間の会話を経て私はスズキくんの"言語"にも興味が出てきた。

最近スズキくんとは若干距離があったのだけど、なんとなくスズキくんの話している言語(の周囲)が理解しづらかった。

思えばスズキくんとは小学校と中学校が同じというくらいしか共通点が無く、その他の性格や生活はほぼ真逆で私はどちらかと言うと退廃的で不真面目なスズキくんのことをダメ人間だと見下していた。本当に失礼だとは思うがスズキにだけはダメ人間の烙印を押しても許される気がする。

しかし、今回スズキくんと(私にとって)新鮮なゲームの楽しみ方を共有することでスズキくんの脳の中をほんの少しだけ理解できそうな気がした。

それはまるでゲームという共通の人工言語が、我々の脳を翻訳してくれたみたいだ。

こんな風に、一見遠いところにいるように見えても話している言語が違うだけで"翻訳"したら実は仲良くなれる人たちがいっぱいいるんだろうな、と思った。

翻訳したとしてもスズキがダメ人間である事実に変わりはないが、これからも彼とは戦友であり悪友であり続けたい。