絶望と欲望と

Questa è la vita.

さっきあったこと

よく通る道が横断歩道(歩行者優先)なのに全然自動車が道を譲ってくれないディストピアなんだけど、ディストピアすぎて私のような歩行者はとりあえず長い長い車の列が遥か向こうの信号を理由に途切れるのを永遠に待つんですけど、なんか逆に歩行者を待つために停止したら死神のデスノートに名前を書かれるみたいな、自動車運転してる人にしか共有されてないペナルティでもあるんですかね。私が免許取ったのかなり前だからもしかしたら現役ドライバーたちの間でそういう新しいしきたりができてるのかもしれん。ファミ通かな。ファミ通で「あそこの道路で歩行者のために止まると死にます!」みたいな投稿した奴がいたんだろうな。5000ガバスくらい貰えたのかな。

 

それは全然良いんですけど、車ね。

さっきも車が通り過ぎるのを待っていたら一台の車がウインカーを出して(俺曲がるから先に行って!)みたいな合図をしてくれて、

交通量の多い時間帯だったけどささっと渡れたんですよ。

で、私が道を渡った直後、ウィンカーが消えて彼は真っ直ぐ進んで行った。

 

えー!

なんと!

フェイク!

歩行者のために止まってるんじゃなくてあくまで右に曲がりたいから止まってるんですよー、歩行者のためじゃないですよー、とアピールして後続の車をスマートに止めつつ私をエスコートし、役目を終えたら自分の任務(真っ直ぐ進む)を遂行する。

 

圧倒的知性……!

 

これが、これが21世紀の頭脳王……!

 

ディストピアに突如現れた "天才" の実力を目の当たりにしてしまった私はもう一度彼の御姿を探そうと振り返ったが、そこにはもう彼はいなかった。

あれは幻だったのかもしれない。

 

でもね、フフ、良いんです。例えあれが夢だったとしても、彼のくれた優しさのかけらは、私の心の中に、たしかに存在するのですからーーー。