絶望と欲望と

Questa è la vita.

俺と音職人

映画やドラマにおける効果音を他のもので代替して製作する技術あるじゃないですか、あるんですよ。

有名どころでは海のザザーッて音を小豆で再現したり、馬の走る音を砂利とお椀で再現したり。

本物の海や馬の音だと、上手く録音できなかったり雑音が入ったりするからだと思うんですけど。

専門の音職人みたいな人たちが作ってるらしいです。

で、音職人の人、代替の音を作らなきゃ作らなきゃ思いすぎて、代替しなくても良い音までエスカレートして製作しちゃったりしないんだろうか。

 

例えば、携帯の着信音とか、着メロから作っちゃう。懐かしのガラケーのやつ。16和音!とかのやつ。J-phone

監督も、「あ、あのこれは、大丈夫です。今iPhoneなんで。LINEなんで。そこの音は、大丈夫です。」ってやんわり断るんだけど、「いーのいーの!こんなん朝飯前よ!ガハハ!」とか得意げに言われちゃう。

 

女優さんの声とかも、代替しちゃう。全然声違うのに、音職人のおっさんが「現場にはわからんのですよ!」とか怒鳴り込みながらレコーディングしてくんの。

監督も駆け出しの頃からお世話になってるから、強く出られない。

 

そのうち、音職人のおっさんのクセが強すぎて有名人になり映画化される。

「どんな音でも代替しますよ、俺は。」とか宣伝トレーラーに使われる。この音も別録音なんだけど。

それで、「音職人が馬の走る音を製作するシーン」で、砂利とお椀を使いこなしている画に被せるための代替音を探し求めるあまり、あ、これは馬の走る音に酷似しているな、って、本物の馬が走る音を録音しに行くの。代替しなきゃ代替しなきゃ思って。乗馬クラブに入会する音職人。

で、「この馬な〜、砂利とお椀の音とは音色が違うんだよ!」とか言ってキレまくる。

あれ、元々馬の走る音って、なんだったんだっけ。