絶望と欲望と杏子

Questa è la vita.

睡眠と笑いとマリオ

私すごく寝つきが悪くて、ベッドに入ってから3時間くらい起きてることとかザラにあるんですけど、友人が寝つきの名人みたいな、もう、のび太くんかその子か、みたいな寝つきの良さで、話してる最中に寝ちゃうくらいのプロなんですね。睡眠プロ。睡眠プロ女子自由形関東大会決勝。

で、その子と旅行行ったとき寝る前によく寝れる方法を教えてもらったんですけど、なんか宇宙だった。

 

「目を瞑ると、目の近くと遠くがあるよね?で、遠く見て、どんどん遠くを目指して見て、もうこれ以上遠くは見れないよ〜〜ってなったら、ヤッフー!って眠りの中に入る感じ。」

 

目の遠くを見るっていうのは結構良さそう、と思って試してみたんですけど、最後のヤッフー!でどうしてもスーパーマリオ64の絵の中に入る瞬間を思い出して

 

ヤッフー!  パパッパン パパッパン  テッテーレテテッテン テッテッ テッ ダーダン!

 

私とマリオの目前に広がるのはボム兵の戦場コース。ゲームでは最初に訪れる易しいコースであり、事実上のチュートリアルとしても機能している。世界で一番認知度の高いコースかもしれない。さあワンワンを倒しに行こう、ボムキングのいる山を登りに行こう、ここでスターを取ることができればバッタンキングの砦にも入ることができるんだ、と勇み立った。

勇み立ったというか、実際に声に出していた。

 

「ヤッフー! パパッパン パパッパン テッテーレテテッテン テッテッ テッ ダーダン!(ヤッ!ハッハー!)ピロリロッピロッピ」

 

睡眠のプロにしこたま怒られた。

 

「どうして寝る前なのに笑おうとするの?!」

 

え、寝る前に笑ったらいけないのか。

でも思い返せば、こうやって笑ったり思い出し笑いしてるとき決まって寝つきが悪かった気がする。

私の睡眠概念に革命が起きた。

笑いが睡眠導入を妨げるという臨床結果もあるかもしれないが、私が言いたいのはそういうことではなく「多くの人類にとって笑いは優先順位の低い(少なくとも睡眠よりは低い)生理状態なのか?」ということだ。

 

私は笑いをラッキーチャンスと捉えていて、面白いことがあったら絶対に笑い尽くしたいし「面白いこと」の栄養価を咀嚼して吸収し消化してペラッペラの皮一枚になるまで笑い倒して時を経てまた残り香や残骸を噛み直して笑い直しするくらい笑うことが大好きなんだけど、

これ、子供だよね。(悪い意味で)

大人になると笑うことよりも、明日の朝の会議のことを考えて早く眠りについた方が絶対に良い人生が送れる。大人はスーパーマリオ64ボム兵の戦場BGMを寝る前に歌ったりしない。

そろそろ私も大人になったらどうか。

早く眠りにつけるし、その分早く起きることでその時間を自分の成長のために使えるかもしれない。

そうだ、我々はもう子供ではないのだ。

 

 

「私、大人になるよ。」

 

決意を固め呟く。

 

無言の返事。

 

プロは、既にヤッフー!していた。

 

 

ボムキング、倒してきてね。