絶望と欲望と

Questa è la vita.

メイド喫茶で働いていたときのこと1

私、大学時代はメイド喫茶のバイトをしておりました。

最大手様のような伝統と格式のある老舗店ではなく、なんか怪しくて怖い店長がなんとなく経営している自由なお店でした。

 

恐らく人生で一番楽しかったお仕事。

 

人間とはなんたるか、研究しがいがありました。

我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか

D'où venons-nous ? Que sommes-nous ? Où allons-nous ?

その答えはメイド喫茶にあるのかもしれない。

 

 

私のいたお店は一応カフェの形態は保っておりますが、キャバクラのように女の子を指名して入店〜退店までお話ししたりご飯を食べたりおまじないをかけたりするお店です。

キャバクラやホストに行ったことがないので詳しくは知らないのですが、夜のお店のように女の子が入れ替わったり別のテーブルに行ったり?ということはなかったです。

他の女の子のこともテーブル越しに見ることができるので、常連さんは皆在籍している女の子の顔と名前は把握していました。

 

私がバイトし始めたのは大学一年生の時、ちょうど今頃冬休みの時期でした。

 

当時いわゆるふわふわ系ファッションが好きだった私は、「メイド服着てふわふわして可愛くお仕事できるなんて夢みたいだな〜〜」とぼんやり考え、あろうことか業界でも一番尖った存在だったお店 ピュアメイド(仮名)に応募しました。

 

応募メールを送るとすぐ店長から返事が来て、次の日に面接することに。

 

こういったお店で働くのは初めてだったので緊張したのですが、清水の舞台から飛び降りる気持ちでえいやっ!とお店のドアを開けました。

 

 

 

「はじめまして!じゃあ採用で!」

 

 

 

そこには30歳くらいに見える細身で長身の男性がいて、出会った瞬間私はピュアメイド(仮名)のメイドさんになってしまいました。

 

「彼氏いる?!」

「います」

「おっけ、それ隠してね!いつから出れる?!」

「明日から」

「じゃ明日11時に来て!」

「はい」

 

後から幹部になり私も面接担当をしていくことになるのですが、基本的にメイドさんを採用するかどうかは「顔」一点であり、その他の条件は働いていくうちに折り合いをつけていく……って感じです。

私は別に絶世の美少女というわけではありませんが、わりとマニア受けするというか「メイドにいそうな顔」だと思います。あと店長ウケしてた。

 

どのくらい働けるかとか、志望動機とか、やる気とか、全く関係ないです。

もしかしたら、どんな仕事でも面接でペラペラ語れるような「やる気」なんて聞く必要無いのかもしれないけれど。

また、体型についてはスレンダーさんからぽっちゃりさんまで関係なくとにかく「顔=首から上」を重視していました。

 

そして出会って1秒で挿入……ではなく入店してしまった私、翌日ドキドキしながらお店に入りました。

 

サイトで女の子のプロフィールを見ていてある程度知っていたので、初めてバックヤードで女の子に会った時は芸能人に会った気分でした!

 

もうとにかく、顔が可愛い!声が可愛い!仕草が可愛い!髪の毛を梳かすコームも、リップを塗り直す手鏡もスカートの下に履いているペチコートも何もかも可愛い!

 

 

「はじめまして!杏子です!」

「はじめまして、みれいだよ〜〜彼氏いる?!」

「いますよ!」

「え〜〜チンコでかい?!」

 

 

初対面でいきなり彼氏の陰茎の大きさを聞いてきた子は、芸能事務所にも入ってる みれい ちゃん。

天使のような可愛さですがバックヤードの下ネタの発端は毎回この子です!

 

「みれいちゃん、また彼氏のチンコの大きさ聞いてる〜〜笑」

 

爆笑しながら近づいてきた年下の女の子 さな ちゃん。さなちゃんと言えば本人よりも彼氏の方が話題に出ます。さなちゃんの彼氏はさなちゃんのことが好きすぎてさなちゃんの髪の毛をむしゃむしゃ食べてしまいました。「機会があれば是非大便も食べたい」らしく、それを聞いた店長は「デートの時お弁当持っていけるじゃん!お得だな!」と笑っていました。

 

他にも、出会い系サイトで男と出会うのが大好きな ゆり ちゃん、男に貢ぐのが趣味な めろ ちゃん、有名コスプレイヤーの こなたちゃん……など、個性的な面々が勢ぞろいし、外から見るだけでは分からなかったメイド喫茶の本当の面白さに気づいていきました。

 

それより更に衝撃だったのは、お客様(ご主人様)だったのですけど。

 

小分けにして話して行きたいと思います。